こんな風景見たことありませんCar?
仕事にプライドを!
お客さまに安全を!
1台の車が入ってきた。事故入庫だ。ひしゃげた車を前に肩を落としたお客さま。昨日の大雨でスリップし、ガードレールにぶつけてしまったらしい。
「○○さんに、『タイヤが減っている』って言われた時に換えればよかったわ。点検も来よう来ようと思ってたんだけど…」 そんなお客さまの言葉を聞きながら、僕は自分の行動を深く後悔していた。
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半年ほど前、このお客さまはオイル交換で入庫されていた。オイル交換のついでに、簡易点検も実施した。
「バッテリーは大丈夫、ワイパーも問題ないな。タイヤは…減ってるなぁ。でも、スリップサインまでもう少しあるし、3 ヶ月後には12 ヶ月点検だしな…。」
点検を終えた僕は、お客さまに報告した。「オイル交換のついでに、他の所も問題ないか点検しました。バッテリーもワイパーも問題ありません。タイヤはちょっと減ってますけど、しばらくは大丈夫です!」
しかし、その3 ヶ月後の12 ヶ月点検。そのお客さまは来店されなかった。「そういえば、あのお客さまどうしたかなぁ…」、ちらっと頭をよぎったこともあった。だが、「まぁ、他の店で換えているってこともあるしな」と、それ以上は深く考えなかった。
そして、次にそのお客さまにお会いしたのが、冒頭の事故入庫のシーンというわけだ。確かに自分の行動に非があるわけではない。オイル交換をした時には、まだ乗れる状態だった。
でも思う。「オイル交換での入庫時、もっと具体的に状態を伝えていれば…」、「12 ヶ月点検のタイミングで交換すべきと明確に伝えていれば…」、「営業にもっとしっかりと点検結果を伝えていれば…」、「お客さまのことを思い出した時に、タイヤのことをもう一度伝えていれば…」、後悔先に立たず。
その時は思ってしまったのだ、「ご提案や入庫の呼び込みは営業の仕事だろう」と。お店の中での役割分担はあるかもしれない。しかし、そんなことはお客さまには何の関係もない。
「自分の仕事は車を直すこと」、確かにそうかもしれない。しかし、では何のために車を直すのか?それはお客さまの安心・安全のために他ならない。
「営業が伝えているだろう…」、「営業が提案して、既に断られているのかも…」一度断られていても結構。安全のためには、しつこいくらいが丁度いい。
伝わっているかもしれない。しかし、伝わっていないかもしれない、のだ。まずは一声かけてみよう。車のプロとして、「プライド」を持ってお伝えするのだ!
営業の仕事とか、サービスの仕事などは関係なく、お客さまのことを真に考えた行動を取る。これこそがお客さまの「安心・安全なカーライフ」を守る、「プロの仕事」なのだ。
written by 竹村舞葉
自動車事業本部
カーディーラーコンサルティング事業部 マネージャー
株式会社 リブ・コンサルティング: ▶ 03-5220-2688
「100 年後の世界を良くする会社を増やす」ことを企業理念とし、現場主義・成果創出にこだわりを持った
総合経営コンサルティング会社。カーディーラーや中古車販売店、整備業などへの支援に強みを持つ。