こんな風景みたことありませんCar?
キャンペーンが止まらない。
毎度毎度、頭を悩ませ打つ企画。現場で活かせるよう、成果を出せるよう、発破をかけかけ、指示・指導。現場は頑張り、踏ん張り、這いつくばり、どうにかこうにか数字を作る。
しかし、達成の喜びは束の間に。翌月は翌月の企画がやって来る。一瞬にしてタイヤはリセット。頭の中はガラスコート一色。タイヤの取り組みは雲散霧消。元の木阿弥、露と消え……。
当たり前が難しい。どうしてタイヤは埃をかぶってしまうのか。どうして店頭がガラスコート一色になってしまうのか。それはキャンペーンの本質的な目的を見失ってしまっているから。キャンペーンが単なるバーゲンセールと変わらない位置づけになってしまっているからである。
キャンペーンやコンテスト、その目的は体質(売り方)改善である。商品、期間を絞り込み、集中してマーケティングや売り方、競合対策等を検討、実践する取り組みである。
その集中期間を経て、強化された体質はその後も継続して成果を出し続けられる。いわば、苦手商品をも得意商品に変えていく、そのような取り組みであるはず。それがキャンペーン。
日々忙しいからこそ、たくさんの商品を扱っているからこそ、キャンペーンを組み、集中してその商材について研究する機会を設ける。ではどのように苦手商品を得意商品に変えるのか、どのように研究すればよいのか?
答えはシンプル。その商品の魅力をしっかりとお客さまに伝えればよいのである。キャンペーンがしてくれること、それは私たちが一番苦手とする「お金」と「時期」のハードルを取り除いてくれること。つまり、キャンペーン「価格」と「期間」を設けることで、お客さまが「ちょっと話でも聞いてみようかな」と考えるきっかけを作ることなのだ。
お買い得価格であることや期間限定であることだけを訴求しても意味がない。それではその後の成果はない。しっかりと商品の魅力を伝え、「そんなに良いものなんだ」「確かに必要だよね」と思ってもらうことが大事なのである。
今一度、振り返りたい。キャンペーンは何のため? 何のために毎回ヘトヘトになって取り組んでいるのだろうか?体質改善に繋げ、キャンペーン価格に頼らない売り方を身につけなければならない。一過性の取り組みにしてはモッタイナイ。
キャンペーンの目的は何か? そこから見直してみよう。そして、定着&浸透の期間を設けてみよう。習慣化され、普段の仕事に溶け込ませる期間を。矢継ぎ早に次の商材に進むのではなく、その商品を通常の価格設定やノベルティなしの状態でも販売できるように。きっと今月のタイヤの販売実績が変わるはず。
当たり前が難しい。
written by 南澤 徹
自動車事業本部 シニアコンサルタント
株式会社 リブ・コンサルティング: ▶ 03-5220-2688
「100 年後の世界を良くする会社を増やす」ことを企業理念とし、現場主義・成果創出にこだわりを持った総合経営コンサルティング会社。カーディーラーや中古車販売店、整備業などへの支援に強みを持つ。