こんな風景見たことありませんCar?
しつこいと熱心は紙一重
「もう少し考えさせてもらえるかな。色々と迷っていて…うん。決めたら行くから」
「あの…色々って…?」
「いや、決めたら連絡するから!」
言葉尻の「しつこいよ」を感じ取り、スタッフは渋々承諾。
「はあ、お待ちしております…」
「しつこい」が怖い。
お客さまにこう言われてしまうと、スタッフは身動きが取れなくなる。何とかしなくては…とは思うが、どうしてよいかは分からない。
営業部長は言う、
「『しつこい』と言われてからが営業だろう!待っていて受注が転がり込むか!」
しかし、残念。スタッフの身はすくむばかり。スタッフの気持ちも分かる。
個人情報保護やら特定商取引やらと、動きづらい政策が気にかかる。本当にお客さまから「しつこい」と言われてしまっては、どうしようもない。
一方でお客さまのこんな声もある。
「熱心さが足りなかった」「売る気が感じられなかった」だから買わなかった、と。お客さまは「熱心さ」は求めているのである。
当たり前が難しい。
「しつこい」と「熱心」は紙一重。しかし、しつこいは嫌われる。一体何が違うのか?もっと足しげく通えばいいのか、しつこいを超えれば熱心に変わっていくのか… しつこいと熱心の差。
それは誰のためにフォローをしているのかという一点に尽きる。しつこいと思われてしまうのは、自分のためだけのフォロー。
「検討は進みましたか?」「他社もご覧になったのですか?」「週末のイベントにぜひご来場ください」
単にお客さまから「答え」だけを求めている。お客さまの買い物の足しには全くならない。こんなフォローに付き合っていても、お客さまからすれば時間の無駄。結果、「決めたら行くから」となる。
熱心に感じてもらえるのは、お客さまの買い物が前に進むように配慮したフォロー。お客さまのためのフォローである。
「先日、お客さまがおっしゃっていた○○を調べて参りました」「取り回しを気にされていたので、今のクルマとの寸法比較表を作りました」
お客さまも自分のためにと考え、持って来てくれた情報には感謝をし、喜んでくれる。ただし、買って欲しいという気持ちも大事。
自分を殺してお客さまに情報を提供するばかりでも、残念ながらお客さまは満足しない。このお客さまに買ってもらいたい、良い買い物をしてもらいたい、それが自分の喜び(実績)にもなる。
お客さま自分にも嬉しい結果に向かって、一生懸命に考えてフォローをする。すれば、お客さまの反応も変わってくる。
「○○さんが熱心だから、あなたから買うことに決めたよ」お客さまのために、でしつこいを熱心に。
当たり前が難しい。