前回、村井式リンパマッサージの村井美紀代表の背景や仕事内容について触れた。後半は自動車業界についての質問を投げかけてみた。自身も学生時代にガソリンスタンドでアルバイトをした経験を持つことから自動車に対する見識、自動車整備工場に持つイメージなどを忌憚なく伺ったので、是非参考にされたし。
三好 さて、話は変わりますが、本誌の読者はいわゆる自動車整備工場の方々です。経営者やメカニックなど様々な方々に読まれています。そこで、ずばり聞きますが、自動車整備工場に持っているイメージを教えて下さい。
村井 はい、日常的に私は自動車を利用していますので、点検の重要性などは理解しているつもりです。ですが、残念ながら体と違って私自身ではメンテナンスすることは出来ません。ですので、日常の生活を守る上でとても大切なお仕事であると認識しています。その上でお話をします。以前、ガソリンスタンドでアルバイトをしていた際にも思っていたことですが、自動車を扱っているメカニックの方々のツナギが汚れているのが目立ちました。
これは作業上仕方の無いことなのですが、お客さまに対応する上で汚れていては駄目だと思います。
三好 なるほど、見た目も重要ということですね。確かにメカニックなどは汚れているツナギを着ている方もいらっしゃいますからね。
村井 仕方が無いと割り切ってしまえばそうなのですが、それをキレイに見せることで差別化出来るとアルバイト時代に感じていました。私自身はオイル交換や水抜き材の提案などしか出来なかったので、詳しい作業までは分かりません。ですが、見たイメージというのは、今も昔も変わらないと思います。
三好 確かにアルバイト時代に感じていたことが今も昔も変わらないというのは頷けます。サービス業としての自覚を持つべき、などという言葉も最近よく耳にします。
村井 そうですね。サービス工場というのだからサービス業であるとも言えますからね。それと、不明瞭、不明確な作業に不安感を覚えることもあります。
三好 例えば車検の時なのですか?
村井 はい。車検などで10 万円かかるとして、何にどれだけ、何処が壊れていて何をしないといけないのか?こういった疑問を投げかけても『これは直さないと駄目なのです』といった言葉で返されてしまっては不安感が高まります。例えば直した部分、作業をした内容で次に気をつけなければいけない場所などを教えて頂ければよいのではと思います。
三好 確かに、直ったからいいではなく、直ったけど次はこうすると長持ちする、みたいなものがあるといいですよね。
村井 私自身、リンパマッサージを施術する際、一年後どうなっているか、ということを考えて施術しております。施術後すぐに体の調子が良くなってもそれを継続させていかなければいけません。車もオイル交換をしなければ壊れる原因になりますよね。
三好 オイル交換の重要性を知っているからこそ言える言葉ですね。例えばフローチャートのようなものがあると分かり易いかも知れませんね。
村井 言われた通り交換するのではなく、何故交換が必要なのかを分かりやすくして欲しいというのがユーザーとしての意見です。プロの方に説明を聞いても分からないし、聞いてはいけないのではないか、というのが大多数の女性ユーザーが持っているイメージだと思います。
三好 なるほど。となると聞き易い環境という意味でも好感の持てる清潔感溢れる格好というのは重要になってきますね。
村井 そこまでは考えていませんでしたが確かに清潔感がある方が印象はいいですね。そういった意味では女性だけの整備工場やガソリンスタンドがあってもいいと思います。
三好 それは面白いですね。確かに女性しかいない、となれば女性ユーザーには心強いですね。
村井 難しい部分もあるとは思いますが、一般的なホテルなどを見てもコンシェルジュがいますよね。ああいったもの、総合の受付と相談窓口のようなものがあればもっと入りやすくなると思います。
三好 カーコンシェルジュといった感じですかね。全国的に見てもそのような取り組みをされている会社は数えるほどだと聞いております。
村井 女性が入りやすいと言っても男性が入りにくいのだとファミリー層には少し向かないかも知れませんので、万人受けするような例えばガソリンスタンドだとコーヒーショップが併設している店舗がありますよね。ああいった感じで異業種とコラボして敷地内にコンビニなどがあるとコンビニに行くついでに寄れたりします。
三好 確かに車に問題や車検が無い限りは整備工場に足を向けること自体が稀ですしね。そういった意味で何か違う業種、生活の基盤であれば尚良いですが、何かと一緒になっていれば行きやすく親しみも持てますね。ただ、ここで先ほどの村井さんの言った清潔感などが伴わないと逆効果になってしまいます。
村井 そうですね。車業界= 汚れていて当たり前というのは古い考えかも知れませんが、私の学生時代と持っているイメージが極端に変わっていないということは多分現在もそうなのだと思います。
三好 そういうものだとユーザーの考えに胡坐をかかないで自らを変えていく必要がある時代に差し掛かっているということですね。本日はありがとうございました。
自動車業界は変化の時に直面しているのは言うまでもない。耐えるか変わるか、このキーワードはどの業界でも言えることである。耐えることが出来れば大きな変化にも流されないで自社を保つことが出来る。変わることが出来れば変化に対して自らの流れに乗っていくことが出来る。今回も様々な視点から意見が酌み交わされたが、結論としてやはり清潔感やサービス業としての当たり前の実施といった部分が重要になってくるのだろう。
今後も隣の芝生では様々な業種、業界の方々に話を伺っていくので、是非参考にして頂きたい。
Dr. コラボ 村井式リンパドレナージュ
―MLD―
代表 リンパ療法師:村井 美紀
リンパ療法サロンBANLI 大宮 代表 / 日本リンパマッサージ協会資格指導者
日本リラクゼーション認定協会1 級取得 / WAX トリプルエックスAademy Japan 認定講師