好調な売上を記録 洗車機市場に迫る

整備機器は多種多様

先日、自動車整備機械工具が一堂に会する展示会、「第35回オートサービスショー2017」が開催された。今回もすぐに現場に役立つものから、数年先を見越した整備機器まで様々な商品が出展された。
一口に整備機械工具といっても様々なジャンルがあり、すべてのジャンルが一様に売れているとは限らない。そこで思うのが、整備機器は数あれど、売れ行きが好調なのはどのジャンルの整備機器なのだろうか? ということである。
下の表は一般社団法人日本自動車機械工具協会が毎年発表している自動車機械工具販売実績をジャンルごとに時系列にまとめたものである。

これによると、金額でいえばリフト・ジャッキ・プレスが圧倒的である。まあたしかに認証工場・指定工場を問わず、これがないと自動車整備は始まらないと言っても過言ではないから、当然といえば当然である。

次に額が多いのは、これも当然といえば当然かもしれないが、車検機器である。しかし、意外にも車検機器が100億円を超えたのは2015年が初めてで、2011年からの伸び率を考えるとトップクラスの伸び率を示している。そろそろ減少に転じることが見込まれるとはいえ、認証工場が9万工場を超えるに至った現状を考えれば、この伸びも頷ける。

伸び率の2位は・・・洗車機器!

さて、ここまでは順当なところだが、伸び率2位を示しているのが実は洗車機なのである。
たしかに仕事柄、機械工具商社の業績発表を取材することも多く、そうした場で「今、何が売れてますか?」と聞くまでもなく売れ筋商品として名前が上がってくるのが実は洗車機である。
たしかに業務に必要不可欠な整備機器は新規の工場ができるか、既存工場で代替需要が発生しなければ販売実績には繋がらない。

一方、店舗のサービス面で考えると、自社に足りなかったサービスを求めて自動車整備業界に参入したティーラー等の異業種、逆に整備需要を自社に取り込むには車販に取り組むしかないとした整備工場、それぞれが入り乱れた結果、どこへ行ってもクルマに関するサービスは受けられる状態になったのが今の整備業界ではないだろうか?

ここから抜け出すには、いかに他社にはない独自性を出せるかがポイントで、入庫車両に何かプラスαのサービスをと求めた結果、行き着いたのが洗車であり、人手がない所でも洗車機を導入すれば…という思いがここへ来て高まっている表れと言えるだろう。

自動車機械工具販売実績

品目 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
自動車総合診断装置 58.8 44.8 45.0 58.6 39.7
車検機器 71.5 77.5 96.1 95.7 122.2
洗車洗浄装置 61.0 76.1 85.8 79.1 86.1
リフト・ジャッキ・プレス 123.7 156.2 179.1 177.4 178.7
エアーコンプレッサー 17.3 20.8 22.6 22.6 23.3
空圧電動工具 23.5 24.5 26.5 25.9 28.8
ハンドツール 109.2 114.8 81.4 75.4 71.2
車体整備機器 21.2 26.8 20.0 18.1 9.8
塗装機器 8.3 10.1 10.3 14.3 10.9
エンジン診断用機器 30.4 27.2 37.7 24.5 25.2
エンジン整備用機器 9.3 6.4 5.8 6.1 4.9
ディーゼル用機器 0.9 1.0 0.6 0.7 0.2
ブレーキ・ホイールサービス機器 51.6 57.4 79.0 55.9 37.4
注油脂機器 15.2 18.2 19.1 17.7 19.6
バッテリー・クーラーサービス機器 16.6 17.5 17.0 14.8 19.6
ガレージ用一般機器 42.7 49.4 62.6 67.7 64.7
環境整備機器 6.6 7.6 5.5 6.1 5.4
各種システム 3.4 5.0 7.8 7.3 6.6
その他 233.0 245.9 228.2 248.1 221.3
合計 904.4 987.1 1,030.1 1,015.9 975.6

データ<機工協>(単位:億円)

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