整備工場は減って行く!
整備業界の皆さまには釈迦に説法かもしれないが、昨年末に発売した「明日を勝ち取る整備工場」の中でも今後、整備工場の数は減って行くと警鐘を鳴らしている。まあ、人口も減って行くのだし、そうなるとクルマに乗る人も減って行くわけで、クルマが減るのであればその面倒をみる整備工場もそのままでは過剰になるので、自ずと減って行くというのも致し方ない。
さりとて、減って行くスピードはそれぞれで異なり、人・クルマ・整備工場が同じスピードで同じ数だけ減って行くとは限らない。どれが一番早く減って行くのかと明言はできないが、例えば、経営不振や跡継ぎがいないなど様々な理由でまずは整備工場が減って行ったと仮定しよう(他は横ばいか減っても微減と仮定)。
この場合、整備・車検の受け先がなくなったクルマが、淘汰された整備工場の数以上に出てくることになる。もちろんこれを機にクルマに乗るのをやめる人も出てくるかもしれないが、乗り続けたい人は現存する他の整備工場に救いの手を求めることになり、結果として、生き残った整備工場が顧客を増やしたという事実だけが残ることになる。
じゃあ業界出版社はどうなんだ?
なーんて偉そうに分析している我々、業界出版社だが、ふと我に返ってぞっとすることが多くなってきた。そもそも、「整備工場が減って行く」のなら、そこを相手に商売をしている我々とて、何も考えずに今までと同じ仕事を続けていたのでは、単純に減って行った整備工場の分だけ売上が減って行くのである。
そこまで考えが及んでいる会社があるかというと、正直、現状維持の会社が多いと感じるのが実情である。事実、弊社絡みでも直近でこんな事案が発生した。某団体の機関誌を編集・発行していた出版社の経営が立ち行かなくなり、さりとて団体としては今後も機関誌は必要だからということで、その編集・発行をせいび広報社が引き受けることになったのだ。
もちろん、弊社としてもボランティアではないので、ある程度の売上の目途がついたこともあって、業務を引き受けた経緯がある。こちらにしてみれば、業務の煩雑化はともかくとして単純に売上が増えたので、歓迎すべきことだったが、これがもし逆の立場だったとしたらと思うとぞっとする。
しかもこれはまさに冒頭でも触れたが、今後と言わず、現状の整備業界でも起こっている現象と同じではないか!整備工場(出版社)がなくなって、車検・整備(機関誌の作成)を依頼する業者がなくなる。さあどうする?今後もクルマ(機関誌)が必要だから、残っている業者にお願いしよう!という具合である。
存在感を示し生き残る体力をつけよう!
自動車整備業界と出版業界、業界こそ違えど、起こっている現象は本質的に同じで、おそらく他の業界とて同じなのではないかと思う。大事なことは厳しい競争を勝ち抜いたからこそ、仕事(売上)の増加という恩恵に預かれたのであり、言い換えれば勝ち抜けるだけの体力と仕事を集めるだけの存在感を示せていたことになるわけである。
ぜひ読者の皆さまも勝ち残る側になっていただきたい。さもないと弊社の売上が・・・・・・。