Q2、税金の損金算入時期について
当当社はガソリンスタンドを経営していますが、経営状態が芳しくなく、数年前から税金 (固 定資産税及び軽油引取税とそれに伴う延滞税) を滞納していましたが、当期において事業が好転し、 滞納していた税金を完納することができました。
当社では、税金が発生した決算期では、発生した金額を損金に算入していなかったため、これを 当期の損金に算入しようと考えていますが、それは法人税法上認められるでしようか。なお、当社は軽油引取税につき特約業者の指定を受けています。
A2、
当期において納付した固定資産税及び当期において申告した軽油引取税は、当期の損金に算 入することができます。前期以前に申告した軽油引取税は、当期の損金に算入することができませ ん。延滞金は、損金に算入することができません。
固定資産税のように賦課課税 (普通徴収) 方式による租税は、原則として、賦課決定のあった日 の属する事業年度の損金に算入されます。
ただし、法人がその納付すべき税額について、その納期の開始の日の属する事業年度 (納期が分割して定められているものについては、それぞれの納期の開始の日の属する事業年度)、又は、実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、その事業年度の損金とする事が認められます。
なお、賦課課税方式とは、納付すべき税額がもっぱら税務署長等の処分により確定する方式を言います。地方税の場合には、道府県職員等が納付すべき税額等を記載した納税通知書を納税者に交付することによって地方税を徴収する普通徴収の方法を言います。
賦課課税方式による租税は、固定資産税の他に、不動産取得税、自動車税、都市計画税などがあります。
また、固定資産税の納税者は、その納付すべき年度の固定資産税に係る固定資産について固定資 産課税台帳に登録された価格について不服がある場合においては、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができるものとされています。
固定資産税は、原則として、賦課決定のあった日の属する事業年度の損金に算入されますが、審査の申し出をする場合には、その決定があるまでの期間は税額が確定しないことから、その納期の開始の日の属する事業年度、又は、実際に納付した日の属する事業年度において損金経理した場合 には、その事業年度の損金とする事が認められているものと考えられます。
ご質問の場合には、当期において固定資産税を納付しているため、損金経理することにより、当 期の損金に算入することができます。
軽油引取税のように特別徴収方式による租税は、原則として、その申告の日に属する事業年度の 損金とし、更正又は決定による不足税額については当該更正又は決定あった日の属する事業年度の損金に算入されます。
ただし、申告期限未到来のものにつき収入金額のうち納入すべき金額が含まれている場合におい て、法人がその金額を損金経理により未払金に計上したときのその金額については、損金経理した 事業年度の損金に算入します。特別徴収とは、地方税の徴収について便宜を有する者にこれを徴収 させ、且つ、その徴収すべき税金を納入することを言います。
この場合には、特別徴収義務者 (特別徴収によって地方税を徴収し、且つ、納入する義務を負う者) が、その徴収すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、その申告した税金を納入することになります。
特別徴収方式による租税には、軽油引取税の他に、ゴルフ場利用税などが挙げられます。 ご質問の場合には、当期において申告した軽油引取税については、当期の損金に算入されますが、 前期以前に申告した軽油引取税を、当期の損金に算入することはできません。
延滞金は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金に算入することは、できません。 ただし、法人の道府県民税等に係る納期限の延長の場合の延滞金の規定により徴収される延滞金は、 納付の日の属する事業年度の損金になります。
なお、法人の納期限延長に係る延滞金についてその事業年度の期間に係る未納の金額を損金経理 により未払金に計上したときのその金額については、損金経理をした事業年度の損金に算入されます。
ご質問の延滞金は、納期限延長に係る延滞金に該当しないため、損金算入することはできません。
- 1
- 2