自動車整備士・整備工場経営の税務質問箱
せいび界2012年12月号掲載
購入したカーナビ(別の車両に載せ替える場合あり)の扱い
Q1.当社は、以前から所有している車両にカーナビゲーション(取得価額32万円)を搭載 することにしました。
このカーナビゲーションには、器具備品としての耐用年数を適用すればよろしいでしょうか? また、来年車両を買い替え、このカーナビゲーションは新しい車両に付け替える予定ですが、何か気を付けるべきことがあるでしょうか?
A、
カーナビゲーションは車両と一体になって使用するものですから、その搭載は車両の価値を高めることになります。このことから、その搭載のために要した費用は当該車両に対する資本的支出に該当します。
そのため、カーナビゲーションに係る減価償却費の計算は、搭載した車両の耐用年数 を使用して行うことになります。
また、車両に常時搭載して使用する機器については、その車両と一括して同じ耐用年数により減価償却の計算を行うことになっていますので、来年、新しい車両にカーナビゲーションを取り付けた場合には、単独で中古資産として取り扱うのではなく、その未償却残高を新規に取得した車両の取得価額に加算して、減価償却の計算を行うことになります。
地元商店街の催し物に支払ったお金の扱い
Q2.商店街の催し物を開催する施設を設置することになり、各組合員は毎月3万円を向こう40ケ月に亘って支払うことになりました。
この負担金は繰延資産になるとのことですが、少額なので、支払った時に損金として計上してよいでしょうか?
A.
支払った負担金は繰延資産として処理することになります。20万円未満の少額な繰延資産は支払ったときに全額損金に計上することができますが、20万円未満かどうかは、その負担金を分割して支払う場合には毎回の支払額ではなく、その計画により支払うことになる合計額で、20万円未満であるかどうかを判定することになります。
また、分割して支払う期間が3年を超えている場合には、支払う総額が確定していた としても、その総額を未払金に計上して償却することはできません。毎期支払った金額をそれぞれ償却していくことになります。
NBC税理士法人 佐野徳太郎