相続税

先代が急逝した場合の事業承継は?

自動車整備工場の税務質問箱

質問、

先日、代表取締役社長が、急に亡くなりました。当社は自動車の修理工場を営んでおり、会社は、長男の私が継ぐこととなりましたが、取引先への連絡や、相続など、どのような手順で何をどうすればよいのでしょうか?

回答、

代表取締役社長が急に亡くなられた場合、深い悲しみと、これからの将来の不安を抱えながらも、会社を遅滞なく運営するために、経営者は進んでいかなければなりません。
「取引先」「従業員」「経理業務」「相続」と、内容を整理して、経営を行っていくことが必要です。

① 取引先等への連絡

後任の代表取締役・その他の役員を決定し、登記の手続きを進めます。死亡届を受理してから2週間以内に行う必要があります。
新役員人事を、顧客・仕入先・外注先・取引銀行など、会社に関わるすべての取引先へ連絡する必要があります。
登記が完了しましたら、税務署・区役所等の諸官庁への届出、許認可の変更手続きをする必要があります。

② 従業員への連絡

役員人事を、きちんと説明した上で、業務に支障のないよう、社長に関わる業務の引継ぎを優先させます。また、許認可の引継説明、新人事体制の確立を行っていく必要があります。

③ 個人の引継・清算

まず、個人の所得税の清算として「準確定申告」を行います。代表者が亡くなられた後、4カ月以内に申告を行う必要です。「相続税」の申告は、10 ヶ月以内に行う必要があります。代表者の死亡前に支給された役員報酬等は、「準確定申告」での清算となり、死亡後に支給期日が到来する役員報酬・賞与・退職金等は、相続財産となり「相続税」での申告手続きとなります。

また、水道光熱費等の公共料金の手続き、運転免許証の返却、社会保険等の手続きが必要となります。
生命保険に加入がある場合には、保険金の請求が必要となります。

笹川朝子 : 税理士として万全の知識を有し、論理的でありながら、 明快な説明で、経営者から絶大な信頼を得ている。税務から経営に亘る、トータルサービスが好評。未来の会計を見据え、資金にこだわる税理士を目指す。趣味はマラソン。

笹川税理士事務所税務のご相談は ▶ 03-3358-1946

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