許可期間の管理は自己責任で!
せいび界2014年3月号「今月の有償運送許可」記事
今回は、弊社の研修でとは限らないが、ごくたまーに聞こえてくる声について、改めて確認しておく。
■許可期間の満了日通知、次回研修の案内が届かない!?
その声とは、「ハガキなどで許可期間の満了日(もしくは次回の研修開催日)の通知が送られてくるものだと思っていた」というものである。
制度を熟知している方からすれば、「そんなばかな!」であるが、当の本人としては運転免許証と同じ感覚でいるのだろう。しかし、研修の受講者が年々減っているという話を他の事業者団体からもよく聞くので、このように捉えている方は意外に多いと見られる。
所属団体や取引先の保険会社からの要請で研修を受講→次回更新時には案内が来るのだろうと勝手に判断→しかし、その後出動実績(許可証を使う場面)がなかった→更新の案内も届かないため、許可証の存在自体を忘れる、といったパターンが想定される。
たしかに、運転免許証は更新時期が近付けば案内ハガキが届く。よっぽどうっかりな人でない限り、失効ということはない。それゆえ、免許証感覚で捉えている方も半分は、有償運送許可証もこうあって欲しいという願望を込めているのだろう。
しかし、残念ながらそうはならない。管轄団体が異なるからである。運転免許証は各都道府県の公安委員会が管理監督を行っている。一方の有償運送許可証は国土交通省の管轄である。
ただでさえ両者には直接の関連性がある訳ではない上に、そもそも有償運送許可自体、貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の例外措置であるため、わざわざ例外措置にまで手厚いフォローをするとは考えにくいからだ。
合わせて、有償運送許可制度には当初から「更新」という概念もない(実質的な更新申請は前年の許可証を添えた新規申請も同然に取り扱っている)ことから見ても、やはり実現の可能性は低いと見られる。
■合わせて補足:有償運送許可のある・なしは許可証の有無による
また、国土交通省の文書「有償運送許可による排除業務内容に関する事項」(Q&A 集)のQ15 に、「有償運送許可を受けた車両は車検証にその旨が記載されるのか?」とあるのも、本制度の管轄を把握していない方が多いということの証明と言えるのではないだろうか。許可の有無は許可証の有無でしか証明できないこともお忘れなく!